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専門医の在り方に関する検討会新専門医制度、2017年度開始に向け報告書 - 津曲

2013/03/08 (Fri) 11:03:06

http://www.m3.com/iryoIshin/article/167703/
専門医の在り方に関する検討会

新専門医制度、2017年度開始に向け報告書

認定は学会から第三者機関に移行、総合診療医も創設

2013年3月8日 橋本佳子(m3.com編集長)

 厚生労働省の「専門医の在り方に関する検討会」(座長:高久史麿・日本医学会会長)は3月7日の会議で、報告書案を了承した(資料は、厚労省のホームページに掲載)。7日の議論を踏まえ、一部表現等を修正して、報告書を作成、今月中に公表する。

 報告書の骨子は二つ。一つは、専門医の認定と養成プログラムの評価、認定を行う、「学会とは独立した中立的な第三者機関」を新たに設置する点。もう一つは、総合診療医を基本領域の専門医として位置付ける点だ。これらは前回会議までに、基本的には了承が得られていた(制度の骨子は、『(『移行時期で対立、総合診療医の養成数は明記せず』などを参照)。


座長を務める高久史麿・日本医学会会長。専門医制度の議論は、今後は厚生労働省ではなく、医療界が自立的に進めていくことになる。

 7日の会議で、最後まで議論になったのが、専門医制度と、医師不足や医師偏在の解消策との関連付け。報告書案には、「専門医制度により、医師の偏在が是正されることを期待する」などの表現があった。構成員の間でも、「専門医制度の見直しは、専門医の質の向上が目的」や「制度見直しにより、医師の偏在が増長されるのは問題」など、意見が分かれた。「両論が出たため、何らかの折衷的な表現があるかどうかを座長と相談して決定する。質の向上が第一の目的であり、地域偏在の是正が目的であることが想起されないような表現を検討する」(厚労省医事課)。

 新たな専門医制度は、基本領域の専門医を取得した上で、サブスペシャリティ領域の専門医を取得する二段階制を基本とする。日本専門医制評価・認定機構は現在、18の専門医を「基本領域」としている。「総合診療医は基本領域に入る一方、18の専門医を基本領域に入れるか否かは今後、第三者機関で議論されることになる」(厚労省医政局医事課)。基本領域の専門医の取得は原則一つだが、自助努力で複数領域の専門医を取得することも認められる。

 専門医の広告も今後見直され、第三者機関が認定する専門医は広告可能とする方針。一方、第三者機関以外の学会等が認定する資格の広告は今後の検討課題とされたが、「専門医」以外の言葉を用いるなど区別するよう求めている。新専門制度が始まる2017年度までに広告の在り方を見直す。

 第三者機関は、プロフェッショナル・オートノミーを基盤として運営し、国民の代表も加わり、各学会の協力を得て運営する。計17回にわたった検討会の議論では、「第三者機関の運営のコアへの国の関与が否定された」(厚労省医事課)。国の支援としては、(1)専門医等に関する情報の収集・管理等を行うためのデータベース構築、(2)専門医の研修施設における養成プログラム作成に対する費用補助――の2つが現時点では想定されている。

 総合診療医については、前回会議の報告書(素案)の「将来的には、数万人程度が必要となるとの見方がある」との記載は削除された。また報告書案には、養成プログラムの基準作成に関して「プライマリ・ケア連合学会、内科学会、小児科学会、外科学会、救急医学会、整形外科学会、産科婦人科学会等の関連する学会、日本医師会等が協力」との記載があったが、「関連学会と日本医師会等」に変更された。「関連学会名を書くのは報告書にはなじまない。第三者機関で報告書の趣旨に沿って議論してもらえばいいこと」(自治医科大学小児科学教授の桃井真里子氏)という意見が出たためだ。

 今後、次のようなスケジュールが想定されている。まず2013年度に医療関係者や国民代表等から成る準備組織を設け、同年度中に第三者機関を発足させる。その後、専門医の養成プログラムの認定などの準備を進め、2017年度から専門医研修を開始する医師から、新制度の対象とする。ただし、既に専門医を取得している医師の移行措置は、「2017年度以降」と、新制度による専門医が誕生する「2020年度以降」の両論併記となったため、第三者機関で検討することになる。

 会議の最後に、厚労省医政局長の原徳壽氏は、「報告書には、何度もプロフェッショナル・オートノミーという言葉が出てくる。まさに医師が責任を持って専門医制度を作り上げて行くことが必要であり、それが国民から期待されている。医師の責任は重い。(厚労省として)今後、第三者機関の設立も手伝うことができると思っている。できるだけ早く第三者機関ができることを期待している」と挨拶した。

 原氏の言葉通り、医療界が自主的に、日本専門医制評価・認定機構とは異なる新しい第三者機関を作ることが求められる。もっとも、事実上は同機構が発展的に解消して、新機関の事務局的な機能を担うことになる可能性が高い。同機構の理事長を務める池田康夫氏は、「5月の総会で機構の今後の方針を決定する。その後、(第三者機関の)準備委員会を設置して、議論することになるだろう。第三者機関は、各学会と連携、協力して運営していく。ただし、あくまで各学会の代表ではなく、各分野の専門家として第三者機関の理事などとして入ることになる」との見通しを示した。


「専門医の在り方に関する検討会」は2011年10月から議論を開始、計17回の議論を重ね、報告書を作成。2012年8月には「中間まとめ」を公表していた(『専門医制度、総合医と第三者機関を軸に見直し』を参照)。

  「専門医制度の見直しと偏在解消は別」

 専門医制度と、医師不足や医師の偏在解消の関連付けを問題視したのは、自治医大の桃井氏。報告書案の、「研修施設については、(中略)大学病院や地域の中核病院などの基幹病院と地域の協力病院等が医師不足地域の医療機関を含めた病院群を構成することが適当」との記述について、「医師不足には、医師の絶対数や地域の医療機関の編成など、医療提供体制の抜本的な問題が関係している。専門医制度の見直しに当たって、この言葉を出すのは極めて不適切。(見直しにより)医師不足を解消しようという意図が見える」などとコメントし、他の同様の表現についても削除を求めた。

 池田氏も、「初期および後期研修は、医師を育てることに重点を置くべきであり、若い医師を医師不足の地域に行かせることを想起させる文章は適切ではない」と桃井氏を支持。ただし、「専門医制度の見直しが、医師不足に拍車をかけることは、あってはならない」とも付け加え、「養成プログラムの中で考えていくべき。また、医師不足の地域に研修医が行くのではなく、指導的な立場の人が行き、カバーすることも必要ではないか」とも述べた。

  「専門医と地域医療の関係に言及を」、医事課長

 これに対し、NPO法人地域医療を育てる会理事長の藤本晴枝氏は、今後は症例数の少ない小規模の病院が研修施設として指定されず、結果として医師不足が生じる恐れがあると指摘。報告書案の「研修施設は、指導体制等の研修の質を確保した上で、医師不足地域の医療機関を含めた病院群を形成」という方針を支持した。

 聖路加国際病院院長の福井次矢氏からは、報告書案で「地域医療の安定的確保」となっている章のタイトルと、「専門医養成と地域医療について」に変更する案も上がった。

 一連の議論に対し、厚労省医政局医事課長の田原克志氏は、「タイトルを変更した場合でも、専門医と地域医療の関係について少し言及していただきたいという思いがある」と求めた。

 名古屋大学医学部附属病院長の松尾清一氏は、「新しい専門医制度が、地域医療にマイナスになってはいけない」と述べ、何らかの言及の必要性を支持。国学院大学法科大学院特任教授の平林勝政氏からも、「専門医制度は医療の質を高めるためにあるというのは共通認識だが、新制度で今の医師不足が増長されることがないよう、どこかに書くべきではないか」と同様の意見が上がった。藤本氏も、「(医師不足などとの関連性の)表記を削除するのであれば、医師の地域偏在をどんな方法で解決するのかを提示してもらいたい」と述べ、重ねて地域医療を踏まえた表現を残すことを要望。

 それでも、池田氏は、「専門医制度の改革でそこまで踏み込むのは本末転倒。(医師不足の問題は)オールジャパンで別に検討していかなければならない。結果として地域医療の問題解決につながるのかもしれないが、信頼される専門医制度を作るのが第一」と述べ、桃井氏も、医療提供体制の再編や患者の受診行動の見直しなど、さまざまな問題がある中で、専門医制度と医師不足等の解決を結び付ける表現には問題があるとして譲らなかった。

  専門医制度、関係法令に位置付けるべきか

 そのほか、7日の会議で議論になったのは、報告書案で、専門医制度について、「関係法令等への位置付けを検討することが望ましい」とされている点。

 日本医師会常任理事の小森貴氏は、「報告書の素案では、『関係制度への位置付け』だったが、関係法令等に変更された。法令に位置付けるべきという意見はなかったので、元の表現に戻してもらいたい」と要望。桃井氏も、制度が硬直化する懸念などから反対、「(関係制度への位置付けの方が)プロフェッショナル・オートノミーを貫徹しやすいのではないか」と述べた。

 これに対し、平林氏は、「専門医の在り方をより確実なものにするためには、法的なバックグラウンドがある制度にすることが望ましい。今、すぐにやるべきと言っているわけではない」とコメント。池田氏も平林氏を支持、「医療法や医師法において専門医をどのように位置付けるかを将来的に検討するよう、明記しておくことが必要ではないか」と求めた。高久座長は、「検討することが望ましい」とされており、断定的表現ではないことから、このまま表現を残すことに理解を求めた。

 「関係法令」に位置付けることにより、浮上してくると考えられるのが、専門医と標榜科との関係。現在は、政省令に定められたものについては、原則として自由に標榜できる。専門医取得を標榜の条件にするかどうかなども含めて、今後の検討課題と言える

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