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全国在宅医療会議が示す課題 - 津曲

2017/06/12 (Mon) 11:28:28

全国在宅医療会議が示す課題
 日本歯科医師会副会長 佐藤 保

 今年3月、厚労省に設置された全国在宅医療会議(座長:大島伸一・国立長
寿医療研究センター名誉総長)名で「在宅医療推進のための基本的な考え方」
と「重点分野」が示された。この会議は、歯科医師会、医師会、薬剤師会など
の職能関連団体のみならず、事業者として在宅を推進する団体、研究機関、学
会、地方行政など、34団体の代表者で構成されている。
 すでに、医療計画、地域医療構想、在宅医療・介護連携推進事業や診療報酬
などにより、在宅医療の提供体制の構築に向けた取り組みは進められており、
特に昨年度は医療計画見直し等に関する検討会でも数回の検討が行われてい
る。かかる中で、改めて多くの関係者による新たな会議を設置したのが、「在
宅医療推進のための基本的な考え方」で、エビデンス構築、国民への周知、関
係者の連携、全国での展開のための基盤など、検討すべき課題が述べられてい
る。
 在宅医療に係る対策を実効性のあるものとして推進するために、▽関係者が
一体となった対策の展開▽国民の理解、視点に立った在宅医療の普及啓発▽関
係者の連携によるエビデンスの蓄積―の3点が特に求められている。日歯にお
いても、国民から信頼される在宅歯科医療の推進に、これらの視点からの発信
と推進が必要だと考える。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆2◇ JDAウィークリー ◇◆◇◆
─────────────────────────────────
■8020達成者51.2%
 「8020健康長寿社会」が実現
 ―平成28年歯科疾患実態調査

 平成28年歯科疾患実態調査(平成28年10~11月実施)の結果(概要)が6月2
日、厚労省より公表され、8020を達成した者の割合は前回調査の40.2%から
11.0ポイント増の51.2%と、初めて50%を超えた(75~84歳の8020達成者の割
合から推計)。「健康日本21(第二次)」では、8020達成者率を平成34年にお
いて50%にするという目標を掲げていたが、今般の調査によりその目標が達成
された。同時に、日歯が目指してきた「8020健康長寿社会」(8020達成者率が
50%を超える状況)も実現した。
 一方で、1人平均現在歯数は、40~44歳28.0本、45~49歳27.6本、50~54歳
26.4本、55~59歳25.3本、60~64歳23.9本、65~69歳21.6本、70~74歳19.7
本、75~79歳18.0本、80~84歳15.3本、85歳以上10.7本であった。平均歯数が
20本に達している年齢は69歳までであり、今回も70歳以上では20本を下回っ
た。
 また、4mm以上の歯周ポケットを持つ者の割合は、15~24歳17.6%、25~34
歳32.4%、35~44歳42.6%、45~54歳49.5%、55~64歳53.7%、65~74歳
57.5%(75歳以上50.6%)と、高齢になるにつれて増加していた。
 歯をみがく頻度は、1歳以上の者で「毎日みがく者」の割合は95.3%であっ
た。また、「毎日2回以上みがく者」の割合は増加を続けており、平成28年は
77.0%であった(昭和44年16.9%、平成23年73.5%)。
 本調査は、我が国の歯科保健の状況を把握し、今後の歯科保健医療対策を推
進するための基礎資料を得ることを目的に実施。昭和32年から6年ごとに実施
していたが、平成24年に策定した「歯科口腔保健の推進に関する基本的事項」
の中間評価に合わせ、今回から調査周期を5年ごとに変更した。
 ◇ ◇ ◇
 なお、日歯は今般の平成28年歯科疾患実態調査の結果を受けて、見解をプレ
スリリースした。詳細は下記日歯HP「プレスリリース・活動報告」を参照。

 ・プレスリリース・活動報告
  「平成28年歯科疾患実態調査結果(概要)について」(日歯HP)
  http://www.jda.or.jp/jda/release/170605.html

 ・「平成28年歯科疾患実態調査」の結果概要(厚労省HP)
  http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/62-28.html

■《歯科医師専門医制度》
 第三者機構設立に向け作業部会設置
 ―定例記者会見

 日歯は5月25日、第18回理事会終了後に定例記者会見を歯科医師会館で開催
し、柳川忠廣副会長が日歯と日本歯科医学会連合が主体となり関係団体と設置
した「歯科専門性に関する協議会」において、「歯科医師専門医制度構築のた
めの第三者機構設立作業部会」(作業部会)の設置を決定したことを報告し
た。同協議会では昨年9月から3回の協議を行っており、本年5月からは作業部
会で「第三者機構の設立工程案」の作成(本年11月を目途)や、第三者機構の
土台形成について検討する。
 柳川副会長は、「協議会では、各学会の認定・更新の基準や研修基準等の整
理、地域包括ケアや多職種連携における歯科の新しい専門制度などについて協
議し、第三者的な機構が必要との意見で概ね一致した一方で、その設立イメー
ジには各委員間で温度差があるため、今後はこの作業部会でしっかりと詰めて
いく」との考えを示した。また、作業部会で半年間検討した後に、その結果を
平成29年度歯科医療の展開に向けた協議・検証事業(厚労省委託事業)におけ
る協議の場に上げ、作業部会の方向性に基づき取りまとめていく予定であると
説明した。

■30年度改定に向け歯科の議論開始
 ―中医協総会

 中医協総会が5月31日、厚労省内で開催され、平成30年度の医療・介護報酬
の同時改定に向けた「歯科医療(その1)」として、〈1〉歯科医療を取り巻く
現状等〈2〉地域包括ケアシステムの構築の推進〈3〉口腔疾患の重症化予防、
口腔機能低下への対応―について議論を開始した。厚労省は論点として「かか
りつけ歯科医機能やチーム医療の推進等の観点から医科歯科連携等についてど
のように考えるか」「口腔機能の評価・管理や、口腔疾患の重症化予防や生活
の質に配慮した歯科医療の提供のあり方等についてどのように考えるか」の二
つを示した。また、「か強診」の届出数が今年4月1日時点で7031施設に達した
ことを報告した(昨年5月1日時点では2636施設)。
 厚労省の説明を受けて、日歯常務理事の遠藤秀樹委員が発言。かかりつけ歯
科医機能については、「患者から『かかりつけ』と認識されている歯科診療所
が、必要な機能を果たしていくことが重要」とするとともに、そのための環境
整備や対応を進めていく考えを示した。さらに、「か強診」の実施状況から、
「エナメル質初期う蝕管理加算の実施率は、従来型の処置よりも高い。歯周病
安定期治療も増加傾向にあるが、新規設定されたII型がまだ少ないのは、診療
報酬が包括されたことに伴い、まだ十分に対応しきれていない面があることが
考えられる」と述べ、さらに推進していく必要があるとした。
 周術期口腔機能管理料に関しては、「全身麻酔の挿管時のプロテクター等へ
の評価がない」と指摘し、今後の対応の必要性を説いた。
 口腔機能の維持・向上の視点からは、幼児・学童期の発達不全や高齢者にお
ける機能低下への対応を求めた上で、「超高齢社会におけるフレイルの概念の
普及とともに、『しっかり噛めること』を目指して効果的な対応を検討してい
く必要がある」との考えを示した。
 支払側委員からは、「全体的に年齢・階級別における残存歯数の増加やう蝕
を始めとする有病率の低下等、歯科の取り組みは評価できる。口腔機能管理を
行うことによって歯周疾患の早期発見・早期治療、糖尿病等の重症化予防に寄
与することが重要」「高齢化社会の中で口腔機能管理を行い、残存歯を増やし
ていることは評価できる」などの他、「かかりつけ歯科医機能は、28年度改定
で十分な議論が行われないまま評価された」「国民の意識と診療報酬上の評価
にはギャップがある。国民は『かかりつけ歯科医機能強化型診療所』だから通
院しているのではなく、いつも通院している歯科医院が『かかりつけ歯科医機
能強化型診療所』であったに過ぎないのではないか」などの意見が上がった。
 これに対して遠藤委員は、「かかりつけ歯科医機能については、目前に迫っ
ている2025年に向けて早急に対応するための意味合いもあり、同時進行で進め
る必要があった」と述べ、今後さらに検討・対応を図りながら推進していく構
えを示した。

 ・第352回中央社会保険医療協議会総会資料(厚労省HP)
  http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000166002.html

■『医療安全を確保するために』改訂
 メンバーズHPにモデル・編集例掲載

 日歯はこのほど、小冊子『歯科診療所における医療安全を確保するために』
(平成19年6月)を改訂し、日歯雑誌6月号へ同封して全会員に送付する。今回
は平成27年10月に施行された「医療事故調査制度」を追記する作業を中心に、
現状に則した形に改めた。
 「医療安全管理指針」「院内感染対策のための指針」「医薬品の安全使用の
ための業務に関する手順書」「医療機器の保守点検に関する計画」等は、各歯
科診療所の施設の人員、体制等に合わせて独自に作成する必要がある。日歯HP
メンバーズルームでは、本小冊子に掲載したモデル・編集例をそれぞれの項目
ごとに編集可能なwordまたはexcelファイルで用意しているので、データをダ
ウンロードし、各歯科診療所用に加工して整備することができる。

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