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日歯メルマガ中医協における歯科医療(外来)の議論 - 津曲
2017/12/13 (Wed) 10:49:41
日歯メルマガ中医協における歯科医療(外来)の議論
■中医協における歯科医療(外来)の議論
日本歯科医師会社会保険担当常務理事 遠藤秀樹
12月6日開催の中医協総会では「歯科医療その2」が上程され、主に歯科外来
医療について議論が行われた。
厚労省は(1)地域包括ケアシステムの構築の推進(2)歯科外来診療におけ
る院内感染対策(3)口腔疾患の重症化予防、口腔機能低下への対応―などにつ
いて、次の通り提案した。
(1)では、周術期口腔機能管理は▽対象疾患と運用の拡大▽診療情報提供に
関して、診療依頼のみならず病状や投薬情報についても情報共有として別途評
価▽病院における口腔管理推進の観点で、地域歯科診療支援病院の施設基準要
件に周術期口腔機能管理の実績を加え拡大充実させる―など。か強診は、歯援
診と棲み分けを図り、口腔疾患の重症化予防や継続的な口腔管理・指導及び地
域の医療・介護連携、歯科保健活動等に重点を置き研修等も含め施設基準を見
直す。
(2)では、院内感染防止対策に関する施設基準を新設し、基本診療料の引き
上げとともに、一定期間の経過措置の検討を含めた施設基準を届けない医療機
関の基本診療料を減算する。また、外来環の施設基準を見直す。
(3)では、▽小児や高齢者の口腔機能低下に関わる評価▽う蝕や歯周疾患の
指導管理の対象疾患▽口腔衛生管理の充実▽有床義歯の修理等における評価―
を検討。また、全身的な疾患を有する患者に対する総合的な医学管理やモニタ
リングに関し、医管I・IIを見直す他、脳血管疾患等リハビリテーション料の歯
科における対象患者を拡大の方向で見直す。
日歯としては厚労省の提案に一定の理解を示した上で意見を申し述べたが、
現場で苦労している会員に不都合が生じないよう鋭意対応していきたい。
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◆2◇ JDAウィークリー ◇◆◇◆
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■500億円程度の改定財源必要
―定例記者会見
日歯は11月30日、第8回理事会終了後に定例記者会見を歯科医師会館で開催
し、堀憲郎会長は平成30年度診療報酬改定財源について、「ネットプラスが必
要。平成24、22年度の時と同規模(500億円程度)の財源がないと、歯科医療に
よって国民の健康寿命延伸を図るという責任を果たせない」との考えを示し
た。
【堀会長発言要旨】
◎平成30年度診療報酬改定財源について
先般公表された医療経済実態調査の結果をみても、地域歯科医療を担う個人
立歯科診療所の医院経営状況は大変厳しい。加えて医療技術、医療機器の進
歩、安全対策や感染対策のニーズの高まりに対応するため、研修や設備投資の
負担が大きくなる。歯科診療所の経営努力は限界であり、大胆かつ速やかな財
政的対応が必要である。
30年度改定に際しては、ネットプラス改定が必要であり、24、22年度改定の
時と同規模(500億円程度)の財源がないと、各方面から寄せられている歯科医
療によって国民の健康寿命延伸を図るという責任を果たせない。
また、中医協等の審議会で長時間かけて診療報酬のあるべき形や内容を議論
していることが反映されないなど、先に改定財源ありきの現在の仕組みには、
根本的な問題があり、今後日医等とも議論、検討していきたい。
◎大臼歯CAD/CAM冠の保険収載について
11月22日の中医協総会で大臼歯のCAD/CAM冠が保険収載された。これは単なる
小臼歯CAD/CAM冠の適用拡大ではなく、大臼歯の咬合に耐える新しい規格の下で
材料開発がなされたものであり、産業界にとっても画期的。会長就任当時か
ら、歯科活性化会議を立ち上げて議論を深め、「新機能・新技術」と区分され
る新しい材料や技術を開発し、改定期以外(期中)で保険収載することに取り
組んできた。臨産学官が一体となって歯科活性化会議で議論した結果が、結実
したものと認識している。
歯科においてこのような取り組みは、緒に就いた段階であり、さらに歯科界
の活性化が定着することを目指していきたい。
◎神田前医政局長の日歯関係会議への参画について
前厚労省医政局長の神田裕二氏に、日歯の会議やボード等に適宜出席を求
め、歯科界の抱える課題について理解していただきながら、政策部分への助言
を求めることになった。11月29日の歯科活性化会議から出席いただいており、
貴重な助言を受けている。
■患者・利用者の求めに応じた必要な歯科医療・サービスの提供へ
―平成30年度診療報酬・介護報酬同時改定―
佐藤保副会長は11月30日、歯科医師会館で開催された定例記者会見の中で、
平成30年度診療報酬・介護報酬同時改定に向けた社保審介護給付費分科会等に
おける審議経過並びに「居宅療養管理指導」「医療・介護連携の強化」「口腔
衛生管理体制加算」「口腔衛生管理加算」などのテーマに関する日歯の考え方
を説明した。
また、今後の介護保険と医療の同時改定の議論、介護保険への歯科の対応に
おいては、介護保険部会への歯科の参画は是非とも必要であり、その要望を継
続する必要があるとの考えを示した。
・プレスリリース・活動報告(日歯HP)
http://www.jda.or.jp/jda/release/171201.html
■歯科診療所6万8932施設、前月比31施設減
―医療施設動態調査 平成29年9月末概数
医療施設動態調査の平成29年9月末概数が11月29日、厚労省より発表され、歯
科診療所は前月から31施設減の6万8932施設、病床数は1床減の65床であった。
また、歯科診療所の主な開設者別施設数は、個人が58施設減の5万4456施設
で、医療法人が27施設増の1万3869施設であった。
・医療施設動態調査(平成29年9月末概数)(厚労省HP)
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/iryosd/m17/is1709.html